今回は、FF14のレイドにギスギス・大縄跳びのイメージを強烈に植え付けるきっかけのひとつとなった大迷宮バハムート侵攻編2層の話をしようと思います。
尚、この話は大部分に当時召喚士でやってた俺TUEEEEEが含まれるので、気分が悪くならない程度にお楽しみください。
侵攻2層は、超える力による全体的な緩和とは別に、個別の緩和が入った珍しい層です。
解除ではなくシンクありで侵攻2層をやったことある人今どれくらいいるんでしょうか。
現在のメリュジーヌ戦をだいたい知っている人向けにざっくりと変更前がどうだったかをお伝えすると、
・ルノーの攻撃を食らうと即死
・石化している状態で何らかの攻撃を食らうと即死
という、ぽんぽん人が死にまくる感じでした。
他人のミスで自分が石化し、ランダムターゲットの飛んできたファイラで死ぬ。
そんな理不尽の塊だったのがこの侵攻2層です。
そしてそんな理不尽な侵攻2層で更に大変なジョブの筆頭が召喚士でした。
侵攻2層の召喚士と言えば、圧倒的な人数不足により、どのパーティーも召喚士待ちしているのでどこに行ってもちやほやされる、そんな存在でした。
あまりの召喚士不足により、クリア報酬のロットを一部優遇するパーティーまであったように覚えています。
その唯一にして最大の理由が、召喚士はルノーの誘導役を任されていたことにあります。
今はもう亡きミアズマ これは病気がついてないから新しいミアズマですね……当時の画像が見つかりませんでした |
元々足の遅いルノーにミアズマをかけると、ミアズマについていた病気というデバフのヘヴィ効果で移動速度がゼロになり、その場から一歩も動かなくなります。
それを利用し、決められた場所でルノーを石化させるというギミックでした。
当時は学者にもミアズマがあったのですが、学者がルノー役をやっているパーティーはほぼ見たことがありません。
おそらくその理由は二つあり、一つは当時はレイドボスに必中するだけの命中を確保しているヒーラーが少なく、ルノーに対してもミスが出てしまう可能性がそれなりにあったから。
もう一つは、回復役は回復に専念してほしいという考えが当時は大きかったからかと思います。
この辺りは今と考え方の違いがありますね。今なら特殊な役割は基本タンクヒラに回して、DPSはとにかく火力を出すのが役目!となるでしょう。
侵攻2層の召喚士はとにかくこのルノーをひたすら誘導、固定するのが役目です。そのために、DPSの本分であるはずの火力すら免除される場合もありました。
火力は他でどうにかするからとにかくルノーだけどうにかしてください、そんな募集が多々あるという、少し異色な層だったのでした。
ファミ通 "開発パネル"リポート【FFXIVファンフェスティバル2016 in Tokyo】(1/2)より |
ここからは、具体的にどう固定していたかのお話です。
目標は、ルノーに決められた位置に置かれたフィールドマーカー上でミアズマを当てて動きを止め、ヒーラーに呪詛の声から発せられる石化ビームをルノーに当ててもらい、石化した状態のルノーを作ること、です。
ここで思い返してほしいのですが、ルノーは最初に攻撃してきた相手のみをターゲットし(線が繋がる)ゆっくりその相手を追いかけてきて、即死威力のオートアタックをしてくるということです。
敵に近付きすぎると撲殺され、召喚士が死ぬと残されたルノーが暴れまわって、なかなかそのフォローができるような人はいないのでワイプ。
なので石化するまでの全ての工程を、敵から一定距離を確保した状態で進める必要があります。
ルノーが湧いたらすぐさまルインラでタゲを取り、マーカーを挟んだ反対側に回って誘導、マーカーに近づいたらミアズマを詠唱してヘヴィを付けて固定、余裕があれば敵を北に向ける。
なんとこの石化させたルノーにも当然石化効果の残り時間があり、適宜石化を更新しないといけないのです(この石化の秒数も緩和されているように思います。当時はもっと短かったはず)。
おまけに石化から解除されたルノーはそれまでの鈍足がなんだったのかというくらい足が早くなります。
まずは繋がれた召喚士を一撃で仕留め、次々と手近なメンバーを狙い……石化から解き放たれたルノーが発生した時点でもうほぼワイプ確定です。
と言っても呪詛の声は、メリュジーヌのHPによってはフェーズが飛んで発生しなかったりして……。ちゃんと石化を更新するために、途中で攻撃の手を止めて削りすぎないようボスのHPを調整するなんていう非常に面倒なことが行われたりしていました。
火力が高くなりすぎても難しいってそんな理不尽な。当然こういう調整をしようとすると妙なミスが増えてワイプの元です。
この流れを敵の攻撃や味方の呪詛の声を避けたり、自分についた呪詛の声を適切に処理したりしながらこなす必要があるのです。
こうやってひとつ作り上げるのも大変なルノー石像、なんと4体作るという攻略法もありました。
ルノーの同時出現は4体で上限のようで、石像を4つ作ってしまえばその後はもう湧きません。
同じ場所にきれいに4体重ね、その全てを北に向けることができれば、それ以上ルノーが湧くこともなく、北に向けたおかげで敵からのペトリファクションで自動的に石化が更新され、あとはヒーラーの呪詛の声や呪詛の叫びによる更新で安泰、ルノー石像建築の仕事を終えることができ、火力に貢献できたりします。
もちろんここまでやっても、不慮の事故で石像が壊されてしまったらまたやり直しです。
学者のミアズラや竜騎士のドラゴンダイブで4体全てを一瞬で壊されるなんて経験も何度もありました。
石化した味方は敵の攻撃一発で死ぬようになるのと同じく、石化ルノーもこちらの攻撃一撃で死ぬようになります。
せっかく作った石像ルノーを、自分や味方の攻撃の誤爆で壊してしまい、呪詛の叫びを遮ることができずに7人石化からの全滅……という流れを何度経験したことか。
さて、ここまで読まれた方はどれだけ大変でしんどいものだったのかと心を痛めているかもしれません。
ここからは私の感想ですが、練習中はそれはもう大変でした。
最初はルノーを固定する位置できっちりミアズマを当てる練習からですよ。
毎回迅速魔を使うわけにはいかないので、どの位置にいるときに詠唱を始めたら、完了時にきっちりマーカーの中心にいるかの試行錯誤からです。
次にヒーラーの呪詛の声とのタイミング合わせです。
石化していないルノーは石化ビームを防がないので、ルノーと一緒に自分も石化してしまうこともしばしば。
さらに、呪詛の声がついてから石化ビームが発生するまでの時間もランダムで数秒のずれがあるので、残り秒数を確認しながら、ルノーとの距離を保ちつつ、秒数が足りないから少し迂回して次回の呪詛の声で石化してもらおう、とかそういう多角的な判断が必要だったんですね。
当時は今より攻略動画での予習ではなく文字ベースのロドストや個人ブログでの攻略を見ての予習が多かったように思います。私もロドストを見て予習したので、実際の動きはかなり試行錯誤しないといけませんでした。
当然、何度も練習しないとできるようにならないですが、その練習は他のパーティーメンバーには一切関係がなく、完全に別物になります。
"召喚士が失敗したせいでワイプした"が練習段階ではかなり頻繁に起こるわけです。
空気がギスギス……になると思いきや、あんな大変な仕事をしてくれてる召喚士様、来てくれるだけありがたい!どんどん練習していってください!の空気がありました。
たまたまかな?おかげで存分に練習させてもらえて、経験を積むことができ、立派なルノー石像建築家になれましたよ!
さて、それだけ経験をつんで、いざクリア目的パーティーに入っても、誰かが呪詛の声を味方に向けたから石化して死んで崩れたみたいなことがしょっちゅう起こるんですね。
遠隔に飛んでくるファイラの誘導を失敗して真ん中に二つ飛んできて死んだとか
外周が毒沼になったからボスを中央に誘導しようとして真ん中向けたらボスの前方範囲でヒラが死んだとか
回復に必死になって最後の毒のエスナが遅れてがっつり削られて戻せなくて死んだとか
誘導や雑魚処理に夢中になって呪詛の叫びから避けるのを忘れて石化して死んだとか
なんとか死にながら立て直せたけど火力が足りなくて時間切れで全員死んだとか
まあ失敗シーンの枚挙に暇がない侵攻2層でした。
そんな数々の困難を乗り越え、野良でクリアが出来た日には、召喚士さんありがとうございました!ってなぜか個別に言われることがあったりするわけですよ。
侵攻2層をクリアした召喚士はヒーローなのですよ!(多少の脚色があります)
たくさんのギスギスを生み出し、固定を崩壊させた侵攻2層ですが、召喚士でクリアした私としては、ちやほやされるし達成感もあるしドヤァと胸張れるので意外と好きでした。というお話でした。
須藤氏も後にこう振り返っている。でも結構楽しかったですよ。 |
というわけで、FF14に色々な悪いイメージが残ってしまったレイドだったわけですが、こうも大荒れした理由は住み分けができていなかったところにあると思っています。
当時は今ほど生活系コンテンツの幅が広くなく、やることと言えばバトルかギャザクラ程度なものでした。ハウジングは実装されたけど必要ギルが途方もなくて、手を出せる人がほぼいないみたいな時期だったかなぁ。
バハムートは今のレイドのようにノーマル・零式に難易度が分かれておらず、ストーリーを見ようと思ったらこれをクリアする必要があったわけです。
だからいろーんなプレイヤーが、レイドに挑むけどうまくいかない、みたいなことがたくさん起こったんでしょうね。
現在はこの原因となる部分が全て取り除かれたので、昔の印象が残っている人ほど今のFF14をぜひ遊んでみてほしいなぁと思います。
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